婦人科


STD(性感染症)について

 一般的に性病といわれる、STD(性感染症)は性行為による感染症の事で、HIV・梅毒・淋病・クラミジア・尖圭コンジローマ・ヘルペス・トリコモナスなどが代表的です。この病気は男性も女性も感染しますが、女性の場合は男性よりも症状が重くまた不妊症や流産、早産を起こす事もあります。STDにかかると、発熱、排尿時の痛みや違和感、不正出血、リンパ節の腫れ、腹痛、下腹部痛、喉の痛み、発疹、性交痛(セックスの時の痛み)、おりもの(帯下)の異常(色・臭い・量)、外陰部(下半身の局部)の痛み・かゆみ・水疱(水ぶくれ)・潰瘍・イボ・しこり、のどの腫れなどの症状が現れます。

 

【性感染症対策】

STDの予防は不特定の相手との性行為は避けること、コンドームを使用すること、B型肝炎に関しては予防接種を受けることとなります。また、感染の不安がある場合は早期に正しい性病検査と診断をパートナーも一緒に受けて下さい。STDの予防・早期発見・早期治療に心掛けて頂く事であなたの将来の心配を取り除く事が可能です。

STDの検査について

 当病院では問診に基づき、おりものに異常がある場合は、診察後、クラミジアと淋菌の検査を行います。のどにクラミジアと淋菌がいないかの検査も行います。HIVや梅毒・肝炎の疑いがある場合には血液検査を行います。尖形コンジロームやヘルペスは視診を行います。トリコモナスの疑いがある場合はおりものを顕微鏡検査します。

 

HIV (AIDS:後天性免疫不全症候群)

 HIVは感染2~4週間後に発熱、頭痛、咽頭痛、発疹、関節炎などカゼのような症状がみられることがありますが、これらの症状はすぐに消失します。その後、無症状のまま数年から十数年の長い潜伏期間が続きます。この間、体内でウイルスが増殖し、免疫システムが徐々に破壊されていきます。やがて免疫力の低下とともに発熱、体重減少、下痢などの様々な症状があらわれます。 さらに進行するとカリニ肺炎、結核のような様々な病原体による感染症や、カポジ肉腫などの悪性腫瘍を併発します。この段階をエイズといいます。 HIVは現在においてその治療法は見つかってませんが、最近では様々な薬で、発病を抑える事が可能です。HIVの検査は血液検査で結果は翌日か翌々日に判ります。

 

梅毒

 梅毒細菌感染症の一つで、近年感染者が増えている病気です。感染ルートは性行為です。主な症状として、初期段階に赤くて固いはれ物ができ、約3ヶ月後にその赤み(バラ疹)が全身に広がり、さらに進行すると、ゴム腫などの皮膚症状があらわれます。現在においては、早期に発見して治療を行えば完全に治る病気です。梅毒の検査は一般的に血液検査で結果は翌日に判ります。治療法はペニシリンの内服で治療期間は2週間~4週間で、長い場合は6週間かかる場合があります。

 

淋病

 淋病細菌感染症の一つで、男性に尿道炎などの激しい痛みを伴う膿の排出が起こる病気です。また、女性においては、症状があまり無く、進行するとのようなおりものがでたりします。さらに、進行すると子宮内膜炎や卵管炎や腹膜炎を引き起こすこともあります。現在においては、早期に発見して治療を行えば治る病気です。また、治療が遅れると、不妊症の原因になったり、手術が必要になる場合があります。この病気の潜伏期間は、ほぼ一週間です。淋病の検査はおりものの細菌培養・免疫学的検査(PCR)などがあり、結果は細菌培養で5日・免疫学的検査(PCR)で2日で判ります。代表的な治療法は抗生物質(セフトリアキソンNa)の点滴(一回)です。治療期間は1日です。

 

クラミジア

 クラミジアは細菌感染症の一つで、この病気も男性には排尿痛などを伴う尿道炎を起こす病気ですが、女性には自覚症状が出来くいのが特徴です。女性が感染しそのまま進行すると、子宮頚管炎を起こし、またさらに進行すると、卵管炎や腹膜炎を引き起こす場合があります。また、治療が遅れると、不妊症の原因になったり、手術が必要になる場合があります。この病気の潜伏期間は、1~3週間です。この病気も早期に発見して治療を行えば治る病気です。クラミジアの検査はおりものの免疫学的検査で、結果は一時間で判ります。治療法は抗生物質(ジスロマック1000mg×1日)の内服です。治療期間は一回の内服です。最近ではオーラルセックスによる咽頭感染が増えております。喉の検査も同時に行い、治療方法は通常のクラミジアと同じく行います。

 

尖圭コンジローマ

 尖圭コンジローマはウイルス感染症の一つで、症状は、かゆみを伴うイボ(腫瘍)が単発または多発し、カリフラワー状になることもあります。また、この病気は母子感染の危険性もありますので、出産前の治療も必要です。この病気の潜伏期間は1~3か月です。尖圭コンジローマの検査は視診です。この病気の治療法はレーザー治療・冷凍手術・薬物療法(外用薬ベセルナクリーム)・外科手術などです。この病気は再発の可能性があり、その度に治療が必要になります。子宮頸がん用のワクチンガーダシルを接種する事で、尖圭コンジローマの予防にもなります。
※当院では冷凍手術・薬物療法(外用薬ベセルナクリーム)を行っております。

 

性器ヘルペス

 性器ヘルペスはウイルス感染症の一つで、初感染では水泡が出来、それが潰れて潰瘍になり激しい痛みを伴います。治療法は薬物療法(アシクロビル錠・バラシクロビル錠・外用薬アシクロビル軟膏)です。この病気も再発の可能性があり、その度に治療が必要です。また、女性の場合はお産の時に発病している場合は、母子感染の恐れがありますので、帝王切開が必要になる事があります。ヘルペスの検査は視診と症状です。治療法は抗ウィルス剤の内服で治療期間は内服5日間です。完治しない場合は、5日の内服を追加いたします。また外用の軟膏を併用します。症状の激しい時は抗ウィルス剤(アシクロビル)の点滴を行う場合もあります。再発を繰り返す場合は予防的に抗ウィルス剤の内服を続ける方法があります。

 

トリコモナス

 トリコモナスはトリコモナス原虫による感染症です。男性はまったく無症状で、女性は黄色い臭いの強いおりものとかゆみを伴う病気です。この病気は早期に発見して治療を行うことで完治します。トリコモナスの検査はおりものの顕微鏡検査です。治療法は抗原虫薬の膣錠(メトロニタゾール)・内服(メトロニタゾール)の併用です。治療期間は膣錠7日間、内服7日間です。

 

A型・B型・C型肝炎

 A型・B型・C型に区分される肝炎も性感染症の一つです。A型は主に便からの消化器感染が主で男性の同性愛者による感染があります。B型は唾液、精液、血液などから感染します。C型は血液によって感染します。検査方法は全て血液検査行われます。症状は体のだるさ、食欲不振などです。治療法はA型は安静にする事と、ワクチンによる予防、B型・C型は抗ウィルス剤の投与によって行われます。

 

ケジラミ症

 ケジラミ症は吸血性昆虫が寄生することにより発症し、主に性行為によって感染します。症状は寄生部のかゆみがあります。治療法はスミスリンパウダーかスミスリンシャンプーを用います。

 

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